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登山編(前半)
〜富士山に登りたい〜

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  • スポーツオーソリティ
  • 浜松志都呂店
  • 登山大好き店長
  •  田中 行雄(たなか ゆきお)

山大好き店長が綴る「〜不定期連載:富士山に登りたい〜」シリーズ。
惜しまれつつも最終回を迎えましたが、オンラインショップにて復活しました!
富士山の基礎知識から、山での歩き方、道具の使い方まで幅広く知る事ができます。

目次

その0「私でも登れるの?」

こんにちは、山バカの田中です。

よくお客さまとお話していて聞かれるのが、
「富士山に一回は登りたいんですけどね」
「私には無理かしら…」
その答えは「分かりません」
そう言うと身もフタもないのですが、富士山でも低い山でも、最低限の体力、きちんとした装備、
バテない歩き方、事前準備が出来ていれば登ることができます。

逆に、しっかり準備をしていて体力があっても天候によって登れないことがあります。
実際、私はツアーに同行しているときに小学生や高齢の方とも一緒に頂上まで行ったこともありますし、
私自身、天候不順で9合目まで行って断念したこともあります。
つまり、今のうちから装備を揃え、正しい歩き方を身につけ、最低限の体力があれば可能性は上がる、ということです。

*富士山は登りで約4~5時間、下山で約3~4時間。
階段で5階くらいまで登れる、ウォーキングを2~3時間出来る程度の体力が最低限の体力の目安の一つとお考えください。
富士山に登ることで普段得られないような景色や体験を味わうことが出来ますので、
山登りをしている方もしていない方も、ぜひ一度は富士山を目指してみてはいかがでしょうか。

Pick UPまずは体力作り!ウォーキングやジョギングをしよう。

その1「富士山ってどんなとこ?」

先日、猿投山(※)を一日に二回登った山バカの田中です。

豊田側から登って、「ここ行くとどこ行くんだろ?」という好奇心だけで瀬戸の方まで降りて行って、ふもとのお寺を
お参りして登り返してみました。(約6時間程度)
低山もルート次第でがっつり登山になりますね♪

今回は、戦の前に敵を知ろう!という事で富士山(というかそもそも「山」)についての基本的なことを把握しましょう。
それを踏まえれば、準備の重要性が理解できるかと思います。
山では、以下のような環境の変化があります。

諸説ありますので目安程度になりますが
①100m標高が上がると、気温は0.6℃ずつ下がる
②風速が1mで体幹気温が1℃さがる
③1,000m標高が上がると、酸素濃度は平地の約10%減る
④1,000m標高が上がると、紫外線量は平地の約10%増える

以上の状況を踏まえて、夏、平地で気温30℃だとすると
富士山山頂の気温は単純計算で10度前後。
風速10mだったら体感気温は0℃。
雨が降っていれば更に寒く感じます。
つまり、富士山では登り始めや日中は普通の登山装備で大丈夫ですが、山頂に近づくにつれて
「防寒」「防風」「防水」の装備を しっかり行う必要があるのです。
また、酸素の薄い環境・紫外線の強い環境で高山病や過度の日焼け(軽度のやけど症状)になる事もあります。
知らない・準備不足、という方はこの環境に対して対応できずにリタイヤするケースが多いと思いますが、
きちんと準備をすれば、初めての登山、という方でも頂上まで到達することは可能です。
また、装備や準備だけでなく、「バテない・安全な歩き方」を知っておくことも登頂成功のポイントとなります。

(※)猿投山(さなげやま)は、愛知県豊田市と瀬戸市にまたがる標高629mの山です。

Pick UP紫外線や標高、防寒・防風・防水の装備を侮るなかれ!

その2「山での歩き方(基本)」

飲み会にアンクルウェイトを付けていく筋肉バカの田中です。

今回は山での歩き方。
本当に基本中の基本ですが・・・

①基本は「歩幅を小さく」です。
街なかで歩く時の半分くらい、というイメージでソロリソロリと足音が出ないように歩くと、
足への負担が軽減され消費カロリーを抑えることが出来ます。
逆に大股でドタドタと歩くとすぐに疲れてしまいます。

②登りでも下りでも、足を置く位置に気を付け、「段差の小さいところを選ぶ」ことが安全・安心な歩き方になります。

③「速度は一定」で歩きます。
歩きやすい平坦な所でも、スピードを上げたりせずゆっくり歩くことで足を 休ませることを意識していきましょう。

④下りではつま先から足を下ろすイメージで、「足裏全体で着地」しましょう。
広い面積で着地することで摩擦力が上がり滑りにくくなります。

⑤「ポールは登りでも下りでも絶対にあった方が楽」です。
よく、歩いていてポールが邪魔になったという話を聞きますが、 これはポールを突く位置が悪いのが大きな原因です。(詳しくは「道具の使い方」にて)

以上が簡単な歩き方の基本です。

Pick UP“歩き”をサポートしてくれる優秀アイテム

その3「道具の使い方A」

富士山に近づきたくて、三好から浜松に異動してしまった山バカの田中です。

今日は、基本的な道具の使い方を知ることで、「楽に」「負担を軽く」山を歩くことが出来る、というお話。
山道具の3種の神器、といえば「ザック」「シューズ」「レインウェア」。
でも今回は「知っていれば楽に歩ける、道具の正しい使い方」ということで、
①ザックの背負い方と②ポールの使い方をご紹介いたします。

①ザックの背負い方
 きちんと背負うか背負わないかで、同じ5㎏の荷物でも、4㎏位に感じることもあれば6㎏に感じることもあります。
正しい背負い方の基本として、
 a:ストラップを全部緩める
 b:ウェストハーネス(腰のベルト)の真ん中部分と自分の腰骨の位置を合わせてしっかり締める 
  ⇒ここが重要!きちんと位置が合えば重さがフワッと抜けるような感じになります。
 c:肩のストラップを締めてフィットさせる
  ⇒ここも重要。ザックと背中に隙間がありすぎると、荷重が自分から離れてしまい後ろに
引っ張られるような重さを感じてしまいます。
 d:胸のストラップを締める
実際に重りを入れて背負い比べるとよくわかりますよ。

②ポールの使い方
 ポールはよく「ほんとうに要るの?」と聞かれるアイテムなのですが、私に言わせれば「魔法の杖」です。
ポールを使う時のポイントとしては以下が挙げられます。
a:登りでの適正な長さは肘が約90度くらいの長さで(体格や慣れによって変化します)。
b:強くギュッと握りすぎない。
c:登りでの「突く場所」は登りでは横か、やや後ろの位置に突きます。
 登る方向に対して倒す感じで斜めにすると「登るための推進力」になりますが、前方に突くと、
後ろに押し戻されてしまいます。
 また、あまりポール・腕に体重をかけて登ると転倒する可能性があります。
d:下りでの適正な長さは登りの長さ+15~20㎝(体格や慣れによって変化します)。
e:下りでの「突く場所」は自分より前方(下)の位置に突きますが、あまり遠くに突くとバランスを崩し危険です。 

以上、ザックとポール、山に行く前に、是非家の近くの坂道や階段などで体感してみてください。

Pick UPおすすめ!山の3種の神器「ザック」と、魔法の杖「ポール」

その4「道具の使い方B」

お久しぶりの登場、田中@浜松です。
この前はザックとポールを正しく使うことで「楽に」「負担を軽く」山が歩けるようになるんですよ、というお話でしたが、今回は「これが無ければ登れない」という「靴」と「レインウェア」。

ザック・シューズ・レインウェアは登山の3種の神器です。
ランニングシューズの方がクッションも良いし楽では?という方もいらっしゃるでしょうが、山での装備の大半は「いざというとき対処しきれる」ものなのです。

夜中3時、気温は0℃近く、雨が降っている、こんな時に防水の効いていない靴では中までずぶ濡れ、へたをしたら凍傷・低体温症を引き起こしかねません。
レインウェアもそうですが、防水・防寒・防風に使える装備を揃えていなければ自力下山できないかもしれない(=遭難)です。
ですから、快晴の予報であっても必ず登山靴とレインウェアは必須装備なのです。
靴は、防水だけでなく、荒地を歩行する際の足の保護にも効果を発揮します。
つま先まで頑強に出来ている登山靴は、岩をうっかり蹴ってしまったりとがった岩や木の根を踏んだ時にも足を守ってくれます。
また、ハイカット・ミドルカットで靴の中に異物・水などの侵入も防いでくれます。

靴を選ぶときですが、まずサイズを図ってもらって下さい。
実寸サイズ+1cm位を目安(足を靴の中に押し込んでかかとに指一本)に。
そのうえでいくつも試着をして下さい。
同じモデルでもサイズ違いで履き比べてください。
下山の時のつま先下がりの状態を想像して、足が靴の中で動かないか確認してください。
靴選びを誤ると、歩くのが困難になることもあります・・・
スポーツオーソリティのスタッフなら正しい靴の提案・正しい紐の結び方も伝授しちゃいますよ!

次に、レインウェアですが必要な理由は既に述べたとおり、防水・防風・防寒です。
基本的に性能と値段は比例していますが、選ぶときの基準として「耐水圧」「透湿性」を見てください。
簡単に言えばこの数値が大きければ大きいほど優秀、です。
特に耐水圧ですが、こちらは20,000㎜以上あれば安心です。
ちなみにビニール傘の耐水圧は500前後と言われてます。
じゃあ、水浸みてこないじゃん、と思うかもしれませんが、体重60㎏位の人(ザックの重さもプラスされるよ)が膝を地面についたときに膝に掛かる圧は10,000を軽く超えるといわれています。
あらゆる状況を想定した時に、水が浸みないレベル、ということで20,000以上がおすすめなのです。

靴とレインウェアに関しては、語りだしたら何時間でもお伝えしたいことだらけなのですが、皆さんの目を疲れさせてしまうので今日はこの辺で。。。
機会があれば、スムーズに汚れずに着る方法とかお伝えしたいのですが。。。すみません。。。
毎回長いよ!というお叱りは田中までお願いします。

次回はその他、あると便利な山道具についてお話しする予定です。

Pick UPおすすめ!山の3種の神器「シューズ」と、「レインウェア」